就労継続支援B型事業所の運営において、設備基準と同様に重要なのが運営基準です。これは支援活動を制度に沿って進める枠組みであり、利用者の環境を整えるルールです。
定員遵守と支援記録
定員を超える受け入れは過密な環境を生み、利用者の安全や支援の質を損なうため、開設後の運営指導でも厳しく確認されます。また、支援記録は利用者の就労意欲や体調の変化を把握し、次の支援につなげるための重要な資料です。
職員配置基準
管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員といった職種を、利用者数に応じて適切に配置することが求められます。
個別支援計画とモニタリング
個別支援計画に基づいた目標設定とモニタリングを行うことで、支援が形骸化せず、充実した支援の提供につながります。
会計・経理の基準
適正な会計処理や費用徴収方法に関するルールも含まれます。就労継続支援B型事業所においては、生産活動による収益から利用者の方々の工賃を支払わなければならず、生産活動に係る会計とその他の活動に係る会計を区分する必要があります。また、法定代理受領や実費徴収の同意なども不正請求防止の観点から重要です。
苦情解決体制
利用者からの苦情を適切に受け付け、解決する体制を整備し、公表することが求められています。
職員体制と研修
職員の資質向上や虐待防止研修の実施が求められます。虐待防止については、委員会の設置や責任者の配置も求められる特に重視すべき点です。身体拘束の原則禁止(記録・検討委員会の設置)も重要です。
衛生・安全管理
感染症対策や避難訓練に加え、2024年から業務継続計画(BCP)の策定・研修・訓練(シミュレーション)が義務化されました。
●秘密保持・個人情報保護
支援記録と関連して、個人情報の保護も重要な項目です。利用者の安心を守るため、秘密保持の体制を整えることが欠かせません。
まとめ
このように、運営基準と就労支援のルールは制度上必要なものであり、同時に利用者に安心できる環境を提供する指針です。設備基準と運営基準を一体として考えることで、事業所は安定した運営を実現し、利用者の就労支援を継続的に充実させることができます。
次回は「定員設定と作業効率の関係」──制度上の数値と現場の工夫をどのように結びつけるかについて解説します。

