収支予算書は、生活介護事業の「1年間の収入と支出の見通し」を示す書類で、資金計画書と並んで審査で重視されます。特に、収入の根拠が現実的であるか、支出が過不足なく見積もられているか、そして他の申請書類と矛盾がないかが確認されます。
収入の見込みを算定する際の基本
収入は、定員・稼働率・基本報酬・加算の算定可否をもとに計算します。稼働率は開設初月から満員とはならず、一般的には20〜30%から始まり、半年〜1年かけて段階的に上げていく設定が現実的です。
2024年度報酬改定では、人員配置体制加算が「常勤換算」で細分化(1.5:1、2:1など)されました。どの区分を狙うかで収入が変わる一方、人件費(支出)も連動して増減するため、ここは収支予算書の整合性チェックの中心になります。
また、処遇改善加算は2024年6月から一本化された新加算として再編されており、最新の単価と要件で算定することが必須です。
支出の見積もりと整合性のチェックポイント
支出は、人件費・家賃・光熱費・備品費・消耗品費など、実際の運営に必要な費用を漏れなく計上します。人件費は人員配置表と一致していることが必須で、給与水準や勤務時間にズレがあると補正の対象になります。
物価高騰の影響は光熱費だけでなく、食事提供に関連して栄養管理や摂食・嚥下に関する体制作りにも波及しています。食事提供による収入を見込む場合、そのための人件費や委託費を支出に正しく反映しているかが審査されます。
障害福祉サービス事業は請求から入金まで約2カ月のタイムラグがあるため、開設直後の資金繰りが苦しくなりがちです。収支予算書では、運転資金が不足しない計画になっているかも重要な確認ポイントです。
収支予算書は、単なる数字の羅列ではなく、事業の体制・方針と一体で初めて説得力を持つ書類です。制度改正に合わせて見直し、常に現場の実態と一致している状態を保つことが、安定した運営につながります。
次回は、人員配置表の作成と根拠の示し方について解説します。

