就労継続支援B型 運営規程の作り方と注意点

就労継続支援B型の指定申請において、最も審査が厳しい書類のひとつが「運営規程」です。事業所の運営方針・支援内容・体制整備を明文化する「事業所の憲法」であり、令和6年度改定では、これまで以上に具体性と実効性が求められるようになりました。

令和6年度改定で「義務化」された項目への対応

今回の改定では、努力義務から完全義務化へ移行した項目が複数あります。

特に重要なのは、虐待防止・身体拘束禁止に関する委員会の設置、指針の整備、研修の実施、担当者の配置です。また、BCP(業務継続計画)の策定も必須となり、感染症や災害時の体制整備を規程に明記する必要があります。

さらに、意思決定支援は改定の中心となるテーマであり、「運営の方針」に利用者の意向を尊重し、意思決定を支援する旨を明確に記載していないと審査で指摘されやすくなっています。

自治体ごとの「ローカルルール」への注意

運営規程は法令に基づいて作成しますが、指定権者によって標準案が微妙に異なる点は実務上の大きな注意点です。自治体によっては工賃の支払い方法の記載や、積立金の扱い、計算式の概要まで記載を求められる場合があります。

また、定員と面積の関係は設備基準と密接に関わり、多機能型(生活介護との併設など)の場合は按分方法を規程に正しく反映しておくことが求められます。

実地指導を見据えた規程づくり

運営規程と実際の運営が一致していないことは、運営指導で最も多い指摘事項です。モニタリングの頻度、工賃支払いの手順、委員会の開催状況など、規程と運用のズレは必ず修正を求められます。規程は「理想を書く文書」ではなく、「実際に行う内容を書く文書」であることが重要です。

また、規程に基づいたマニュアルや議事録(虐待防止委員会など)が適切に整備されているかも、運営の信頼性を左右します。

運営規程は、理念と実務をつなぐ最重要文書です。丁寧に作り込むことで、指定申請のスムーズな審査だけでなく、開設後の安定した運営と支援の質の向上にも直結します。

次回は、指定申請の中でも特に審査が厳しい「収支予算書の作成方法」について、実務に基づいたポイントを解説します。

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