生活介護サービス事業とは?
主に昼間、常時介護を要する障害者に、入浴、排せつ及び食事等の介護、日常生活の支援、創作的活動又は生産活動の機会の提供を行い、身体機能又は生活能力の向上のために必要な援助を行うサービスです。
※令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に際し、サービス提供時間については、障害特性等により利用時間が短時間にならざるを得ない者等の配慮として、個別支援計画に定めた標準的な支援時間で算定することを基本とする等、一定の配慮が設けられています。
サービスの対象となる方は?
地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な方が対象となります。
(1) 障害支援区分が区分3(障害者支援施設等に入所する場合は区分4)以上の方
(2) 年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分が区分2(障害者支援施設等に入所する場合は区分3)以上の方
(3) 生活介護と施設入所支援との利用の組合わせを希望する者であって、障害支援区分が区分4(50歳以上の者は区分3)より低い方で、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案を作成する手続を経た上で、市町村により利用の組合わせの必要性が認められた方
指定申請の流れ(東京都)
東京都に指定申請を行うためには、いきなり申請書を提出することは出来ず、都庁に出向いて何度か事前相談(指定相談)を受ける必要があります。まずは指定申請の流れについて説明します。

事前相談を受けるためには、まず「指定協議説明会」に出席する必要があります。出席するのは、事業所の管理者です。
年に5〜6回開催されていますので、東京都障害者サービス情報から開催時期を確認、申し込みましょう。

次に、事前調査シート、事業計画書案等を作成します。どちらもフォーマットが決まっています。
この時点で事業を行う物件が決まっている場合は、平面図や、関係機関(市区町村の担当課、消防署、保健所等)との協議を行った議事録も添付します。

東京都と事前相談(指定相談)を何回か重ねながら、指定に向けた準備を進めていきます。
法人格の取得、物件の選定、各関係機関との協議、人員の確保、書類の作成等、同時並行で準備を進めていく必要があります。
来訪相談時は、訪庁する3営業日前までに指定申請書を郵送で提出しましょう。
障害福祉サービス事業は、法人格を持たずに指定を受けることができません。指定を受ける準備として、法人格を取得します。法人格を既に保有している場合は、指定申請を受けるにあたって定款の変更が必要となる場合があります。
事業を行う物件を選定します。各サービス業種毎に設備基準が定められていますので、設備基準に沿っているか確認します。
また、利用者や従業員にとって使いやすい・運営しやすい物件であることや、建築基準法、消防法等の法令をよく調べる必要があります。物件契約後に設備要件の不備が判明する等の事態を未然に防ぐため、必ず、契約を行う前に行政に相談しましょう。
各区市町村で策定している「障害福祉計画」との兼ね合いや、実施地区における利用者のニーズ等を確認するため、事業を行う区市町村の障害福祉主管課に、新規立ち上げについて相談、議事録を作成します。
実施地区を所管している建築主事に平面図を持参し、建築基準法等に適合したものかの確認をし、議事録を作成します。その際、用途変更の手続きの有無、バリアフリー条例の適用有無等を確認する必要があります。
また、消防署にも出向き、消防法令についても確認し、議事録を作成します。スプリンクラーや自動火災報知機の設置が必要になる可能性があります。

何回かの事前相談(指定相談)を通じ、不備・問題等を解消した上で、必要書類を作成します。
申請当日、確認・修正点について指摘が入りましたら、修正・変更した上で再度提出します。一度の申請で、不備なく受理されることは殆どありません。申請書類上の不備が無くなった段階で、申請が受理されます。

受理後、行政による審査の過程で、実地による現地確認が行われます。現地確認日までに、改修工事や机等の納入を完了させ、利用者の受入れに際して必要な体制の確保を行う必要があります。
現地確認により、指定基準等を満たしていないことが判明した場合、内容によっては予定していた日に指定されないことがあるので、注意が必要です。

無事に指定されると、指定通知書が送付され、営業を開始することができます。
スケジュール例
指定協議説明会に出席してから、実際に指定を受けるまで、最短でも4ヶ月以上の期間がかかります。(実際には半年以上かかることが多く、余裕を持ってスケジュールを組む必要があります)
イベント | 日程(例) |
---|---|
指定協議説明会に申込 | 4月1日 |
指定協議説明会に参加 | 4月30日 |
事前調査シート・事業計画書案を提出 | 5月15日 |
指定相談(開始) | 6月1日 |
法人格の取得 | 3週間〜1ヶ月程度 |
物件の選定 | 1ヶ月以上 |
市区町村の障害福祉主管課・消防署に相談 | 最低でも数日 |
人員の確保 | 都度 |
事業計画書を完成(提出) | 7月31日 |
申請書類の提出 | 8月31日 |
指定権者による現地確認 | 9月中 |
指定(営業開始) | 10月1日 |
「物件探し」が最初のハードルです

物件がなかなか見つからないよ…



ご安心ください。物件探しを全力でお手伝いします!
事業実施の要となるのが「物件」です。家賃、駐車場の有無、トイレの数、新耐震基準を満たしているか…など、事業所としてふさわしい条件を不動産屋で探してもなかなか見つからず、苦労されている方が多い印象です。
当社には、行政書士だけではなく宅建士も在籍しておりますので、物件探しからサポートが可能です。
指定を受けるには法人格が必要です
障がい福祉事業の指定を受けるためには、法人格が必要となります。個人事業主では指定(許可)を受けることができません。法人それぞれにメリット・デメリットがありますので、未だ設立していない方は、法人格を検討してみましょう。
法人格の比較 | 株式会社 | 合同会社 | 一般社団法人 | NPO法人 |
---|---|---|---|---|
設立法定費用 | 登録免許税150,000円 定款認証費用52,000円 定款印紙代40,000円 (電子定款の場合は0円) | 登録免許税60,000円 定款印紙代40,000円 (電子定款の場合は0円) | 登録免許税60,000円 定款認証費用52,000円 | 登録免許税 不要 定款認証費用 不要 |
設立時の最低人数 | 1人 | 1人 | 2人(非営利型は3人) | 10人 |
設立にかかる期間 | 1ヶ月程度 | 3週間〜1ヶ月 | 1ヶ月程度 | 半年程度 |
社会的信用 |
また、法人立ち上げ時に作成する「定款」の目的欄に、障害福祉事業を行う旨を記載する必要があります。目的の表記(文言)については、都道府県等の指定権者より具体的に指定されることがあるため、設立前に開業予定地域を管轄する指定権者(申請窓口)に確認しましょう。
法人格の立ち上げがこれから…という方も。
法人格を持っていない方(個人事業主の方)でも、指定協議説明会への参加は可能です。まずは説明会の日程をチェックし、直近の説明会を予約しましょう。
法人設立については当法人が紹介する行政書士が設立のサポートを行っています。これから立ち上げる方は、お気軽にお問い合わせ下さい。



法人の立ち上げについても相談できるの?



もちろんです。経験豊富な行政書士が対応します!
人員・設備基準
人員配置基準
管理者 | 原則として管理業務に従事するもの(管理業務に支障がない場合は他の職務の兼務可) | ||
従業者 | 医師 | 日常生活上の健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数 | |
看護職員 | 生活介護の単位ことに、1 人以上 | ||
理学療法士または 作業療法士 | 利用者に対して日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う場合は、生活介護の単位ごとに、当該訓練を行うために必要な数 | ||
生活支援員 | 生活介護の単位ことに、l 人以上( 1 人以上は常勤) | ||
サービス管理責任者 | 利用者数が60 人以下 | 1人以上 | |
利用者数が61 人以上 | 1人に、利用者数が60人を超えて40 又はその端数を増すことに1 人を加えて得た数以上 |
※看護職員、理学療法土又は作業療法土及び生活支援員の総数は、生活介護の単位ごとに、常勤換算で、①から③までに掲げる平均障害支援区分に応じ、それぞれ①から③までに掲げる数
① 平均障害支援区分が4 未満:利用者数を6 で除した数以上
② 平均障害支援区分が4 以上5 未満:利用者数を5 で除した数以上
③ 平均障害支援区分が5 以上:利用者数を3 で除した数以上
設備基準
訓練・作業室 | 訓練又は作業に支障がない広さを有し、必要な機械器具等を備えること |
相談室 | 間仕切り等を設けること |
洗面所・便所 | 利用者の特性に応じたものであること |
多目的室その他運営に必要な設備 |
東京都(八王子市を除く)の指定申請で必要となる書類
- 指定申請書
- 指定に係る記載事項
- 介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書
- 介護給付費等算定に係る体制等状況一覧表
- 勤務形態一覧表
- 嘱託医契約書(写)
- 人員配置体制加算に関する届出書
- 福祉専門職員配置等加算に関する届出書
- 食事提供体制加算に係る体制
- 重度障害者支援加算
- 平均障害支援区分算出表
- 延長支援体制届出書
- 送迎加算に関する届出書
- 常勤看護職員等配置加算
- 利用日数に係る特例の適用を受ける通所施設に係る(変更)届出書
- 申請者の定款、寄付行為等及び登記事項証明書(原本又は原本証明)又は条例等
- 平面図及び設備・備品等一覧表
- 建物面積表
- 土地・建物登記簿又は賃貸借契約書(写)
- 管理者及びサービス管理責任者の経歴書
- 管理者及びサービス管理責任者の資格等の証明書(写)
- 実務経験証明書・実務経験見込証明書
- サービス管理責任者研修及び相談支援従事者研修受講誓約書
- 運営規程
- 利用者からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
- 主たる対象者を特定する理由書
- 協力医療機関リスト及び当該協力医療機関との契約内容が分かる書類(協定書等の写し)
- 当該申請に係る事業に係る資産の状況(貸借対照表、財産目録等)
- 就業規則
- 36条第3項各号非該当誓約書及び役員等名簿
- 事業開始届
- 事業計画書
- 資金収支予算書
- 利用者名簿
- 消防計画及び防火管理者講習修了証(写)
- 給与規定等
- 工賃規定
- 研修計画
- 危機管理マニュアル
- 関係協力機関一覧
- 関係協力機関との相談議事録(区市町村、消防、建築指導、保健所等)
- 書類差替確約書
- 耐震化調査票
- 社会保険及び労働保険への加入状況にかかる確認票
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こんなに沢山の書類を短期間で作るの?



そうなんです。数ある許認可のなかでも、非常に提出書類が多いのが、障害福祉の指定申請です。なかなか大変かと思います。
作成する申請書類は40〜50種類にも及びます。これだけの書類を1〜2ヶ月で作り上げるのは相当な苦労がかかります。物件も決まったのに、書類の準備が遅れて事業を開始できない…、なんて事態は避けたいですよね。
弊社では、申請書類のサポートを行っています。在籍する行政書士、社会福祉士、消防設備士が、それぞれの専門知識を活かしながら、経営者をバックエンドで支えます。まずはお気軽にご相談ください。
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